個展 「 祭 」   銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン 1975年

カメラは中古で求めた二眼レフを使った。私は一眼レフ全盛の時代に写真をはじめたため、交換レンズの便利さにおぼれすぎていないか、という反省のためだった。この二眼レフは標準レンズしかない。カメラが不便だから、写す物を選び、じっくりと物を見て、モチーフと距離だけで勝負するという、写真を写す原点のようなところで撮影することとなった。このカメラは、祭りの周辺の人物や物を写すのにちょうど良かった。そしてこれをまとめて、「祭」展を催した。

(木村仲久『花と海の里』「あとがき」から 1984年)