2003年 東京写真文化館
2004年 影法師2004写真展(静岡アートギャラリー)
ツンと澄ましたビル群。そこから一歩通りを隔てればそこにはまた別の街の匂いと風がふく。誰もが足早に歩き、うつむきながら顔を上げて、立ち止まって微笑むことのないままに・・・。
群れを離れた一匹の 羊 が紛れ込んだ都会。カメラを持つ事によってその視線に入ってくる現実は、屈折し別世界となって闇の中に浮遊する。小心者の 羊 はその時、パセティックなドラマでも見ている心地に陶酔してしまう。
巨大な都市はいつも、淡い色、激しい色、またセピア色に自分が変えられてしまい、異様な欲望に動かされ、夢をみながらの群集のなかの一人なのか、我に帰ればやたらと恐ろしいことである。
鈴木 広孝