■中村明弘 写真展「時空のスパイラル2」  2019年12月 しずぎんギャラリー「四季」

今回の作品は、2009年12月、銀座ニコンサロンで開いた個展『時空のスパイラル・熱海』に続くもので、カメラの目を通した「私の熱海体験」を、2019年の今、10年間という時空の中に提示するものです。

最盛期、年間530万人を超えた熱海の宿泊客数はバブルの崩壊(1991年~1993年)後に激減し、2011年度には250万人を割るところまで減った。だが翌年から増加に転じ始め、2015年度以降は300万人以上で、今に続いている。

あらゆるエネルギーを貪欲なまでに飲み込んだ大都市東京の乾いた混沌の様にも心はざわめくのだが、温泉地熱海の湿気を保った「人間臭さ」のある街には、「生きている」という安堵の想いを共有できる優しさと懐かしさがある。

次々と社会的変貌を遂げていく「熱海」…。これから、どんな時空の中を、どこへ向かって歩んでいくのだろうか…。